消防士に向かない人の特徴5選【全て僕です/元消防士が語る】

悩める人「消防士になりたいけれど、自分に適性があるか不安です。向いてない人に当てはまるなら、他の職業も検討する。リアルな声を聞かせてほしいな。」

悩める人「消防士として働いているけれど、、、。なんか合わない。僕は消防士に「向かない人」なのかも。」
こういった悩みにお応えします。
この記事の内容
- 消防士に向かない人の特徴5選【当てはまる人は要注意です】
- 消防士として、上手くやっている人の特徴
- 消防士が向いていない人は、民間企業で生きればOKです
この記事を書いている僕は、圧倒的に「消防士に向かない人」でした。
大学まで行き、夢だった消防士になった時には、ここまで自分に消防士が向かないなんて思いもせず、、、。
結局、1年前に消防本部を退職し、現在は民間で仕事をしつつ、当時のことを思い出しながらキーボードを叩いています。
この記事で皆さんにお届けするゴールは下記のとおりです。
- 消防士に向かない人の特徴が分かる
- 消防士として、上手くやっていける人の特徴が分かる
- 消防士に向かない人は、どうすればいいか分かる
実際問題として、消防士に向かない人は一定数います。
そして、僕のような消防士に向かない人は、残念ながら日々の仕事がかなり苦痛だと感じるはずです。
今回は、当時の僕と照らし合わせつつ、消防士に向かない人の特徴を5つまとめました。
- 消防を目指している方
- 現役消防士の方
どちらも読んでおいて損はない記事だと思います。
5000文字ほどにまとめましたので、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
消防士に向かない人の特徴5選【当てはまる人は要注意です】

結論、消防士に向かない人は、下記のような人です。
- 手先が不器用
- 方向音痴
- 潔癖症or神経質
- もっと稼ぎたいor価値ある仕事がしたい
- 自分のペースで仕事がしたい
上記です。
そして、これらは全て僕です。
5つ全てを兼ね揃えていた僕にとって、消防士の仕事は控えめに言って無理ゲーでした。
向いてない仕事を、無理して続けるとかなり精神を消耗します。消防士のような、過酷な職業だと特に。
そうやって病んでしまった消防士も多いので、この記事を参考に人生の進路を考えてほしいです。
それぞれについて、深掘りしていきます。
①:手先が不器用
ぶっちゃけ消防士は、頭が悪くてもOK。
しかし、手先が不器用だとマジでキツイです。
消防士の仕事のメインである現場活動は、頭の良さも大事ですが「器用さ」がめちゃくちゃ重要でして、不器用というだけで「使えない隊員」扱いされます。
不器用だと、現場でツラいです(経験談)
これは、不器用な人にしか分からないかもですが、、、。
- 頭では理解できても、それを体で表現できない
- 仕組みがどうなっているのか、全然分からない
こういう感じですよね。
とはいえ、命の危険のある現場でそんなことは言ってられないわけでして、自分にもイラ立つし、上司には怒られるしでいいことなしです。
ちなみに、自分が不器用なのか分からない人は、下記を参考にしてください。
- 絡んだロープ(糸)を、解きほぐすのがマジで無理
- ダンスが苦手
- 人の動きを見ても、同じことができない
恥ずかしながら、、、。僕の特徴ですね。上記に当てはまる人は、僕と同類かもです(笑)
②:方向音痴
消防士は、方向音痴だとかなりのハンデを負います。
方向音痴のツラいところは、他人から共感されにくいことでして、
- 一度通った道でも、覚えられない
- 活動を終えて帰署するとき、どっちが消防署の方向か分からない
リアルに上記です。
そして、上司は理解してくれないので、『勉強不足だ、反省しろ』と一蹴されて終わり。
毎日、運転するのが絶望的にツラくて、勤務日の朝は冷や汗をかきながら起きてましたからね。
方向音痴は、どうやっても治らなかった
上司に怒られるのが嫌で、休みの日に自家用車でグルグル走ったり、地図を見て覚える努力をしたりしました。
結論、方向音痴は治りません。
理屈はよく分かりませんが、何度覚えても結局忘れちゃうって感じで、終わってましたね。
僕ほどではないにしろ、もし「なんとなくその気持ち分かる」という人がいるなら、正直に言って消防士は辞めておくべきかと。
③:潔癖症or神経質
下記の質問に、1つでも「NO」が付く人は要注意です。
- どこでも、すぐに寝られますか?
- 嫌なことがあっても、すぐに忘れられますか?
- 他人の体液や汚物を、嫌な顔せず処理できますか?
上記です。ちなみに、僕は全て「NO」です。
いくつか、具体例を示します。
- 問1について → 仮眠室で上司のいびきがうるさくても寝れるか / 援助隊派遣のテント内で、簡易ベッドに雑魚寝でも問題ないか
- 問2について → 上司からのイヤミや、いじられることに対して、深く落ち込まず笑って受け流せるか / 目の前で人が亡くなっても、食事を問題なく摂れるか
- 問3について → 他人の血液や嘔吐物、失禁などを、嫌な顔せず処理できるか / 上司と同じ箸を使えるか
こんな感じです。
特に、神経質な人は、身体と精神を壊す可能性があるので、気を付けたほうが良いですよ。
「他人との生活」に耐えられるか?
消防士は、24時間の共同生活が前提の仕事です。
中には、汚い人もいるし、無神経な人もいるし、過酷な現場も当然あります。
こういった「嫌だな、と思うポイント」について、上手く付き合っていける人が消防士には向いています。
こういった「神経質な性格」は、消防士の世界では圧倒的に足かせになります。
ちなみに民間に転職したら、スパッと治りました。それだけ、消防士は特殊な環境だという理解はしておくべきかと思います。
④:もっと稼ぎたいor価値ある仕事がしたい
消防士をする中で、完全にデメリットだと感じていたのが下記です。
- 副業禁止
- 無駄な仕事が多すぎる
- 効率化が一切図られていない
こんな感じです。
ここに関しては、完全に「公務員の闇」でして、民間との決定的な違いでもあると思います。
詳しくは、»公務員と民間の違いは「利益追求の有無」です【公務員はツマラナイ】をどうぞ。
現場で、市民のために活動することが「価値がある」というのは確かに正しいかもです。
とはいえ、それ以上に無価値な仕事が多すぎますね。
さらに追い打ちをかけるのが、『仕事ツマラナイから、副業を頑張ろう』という向上心すら持つことが許されない点。
悶々と働き、消防本部に飼い殺されている気分でした。
消防士は、自分の「利益」を追求してはいけない
- 年収をアップしたい
- 早く出世したい
- 自分の能力やアイデアをどんどん仕事に活かしたい
上記のような野心がある人は、残念ですが消防士には向きません。
出世も、ほとんど年齢によるものでして、成績や能力はほぼ関係ないです。
そして、新しいことを嫌うのが公務員ですので、あなたがどんなにいいアイデアを持っていたとしても、頭の固い上司にNGを食らえばそこで終了です。
こんな感じで、自分の能力を発揮し、利益を追求することに魅力を感じるなら、消防士は辞めておきましょう。
- 市民のために、働く
- 上司のために、働く
- 体裁を守るために、働く
- 働いているふりをするために、働く
公務員とは、極論を言うと上記ですので。
⑤:自分のペースで仕事がしたい人
よく言えば「マイペースな人」、悪く言えば「周りに合わせるのが苦痛な人」ですね。
当たり前ですが、出動はいつあるか分かりません。
強制的に、自分のやっていることを中断させられるのが嫌だ、と感じる人にとっては、かなりの苦痛ですよ。
例えば、僕の場合。
戻ってきたら、もうやる気が出ない、、、。みたいな感じで、仕事の効率が上がりませんでした。
自分の意志よりも、団体の意思が尊重されます
消防署は、何かと「皆で足並みをそろえる」ことにこだわります。
個人の能力や、得意なことは違うのに、全く同じ仕事の仕方を強要されるのって、かなりストレスです。
例えば、報告書の作成について。
2倍以上かかる仕事を、不本意にやらされて消耗しつつ、そのあとは何故か全員でランニング、、、。とかでして、控えめに言って『ここは刑務所かよ』と感じてました。
人に合わせるのが苦ではない人もいると思いますが、自分のペースを大切にしたい人にとっては、かなり厳しい職場だと思います。
消防士として、上手くやっている人の特徴

次の話題に移る前に、ここまでの内容をおさらいしておきます。
消防士に向かない人の特徴は、下記の5つ。
- 手先が不器用
- 方向音痴
- 潔癖症or神経質
- もっと稼ぎたいor価値ある仕事がしたい
- 自分のペースで仕事がしたい
上記です。
これらに当てはまる人は、かなりの確率で消防署に出勤するのが嫌になります。
とはいえ、ハンデを抱えつつも、上手にやっている消防士もいるのは事実です。
結論、消防士になるなら、上手くやっている人の真似をすればOK。
多少手先が不器用でも、方向音痴でも、上司との関係を良好に、楽しく仕事をすることは可能です。
結論:さりげない「アピール」ができればOKです
かなり説明するのが難しい話でして、、、。ざっくりと具体例を交えつつ、解説します。
例えば、方向音痴な人が、上手くやるために必要な「アピール」とは何かというと、下記です。
- 〇:『ぼく方向音痴なんで、明日も自家用車で走ってこようと思うんですけど、先輩としては1番難しい地区ってどのあたりですかね?』
- ×:何も言わないで努力する
こんな感じ。
上司の心をつかむコツとしては、「苦手なことがあるけど、なんとか乗り越えようとしている姿」でして、見えない努力より見えるような努力をするべき。
もう1つ例を見せますね。
ロープ結索が覚えられない人がやるべきアピールは下記です。
- 〇:出動終わりや、訓練終わりなど、他の人が「一息入れるタイミング」で、練習に行く
- ×:上司に『結索したいんで、付き合ってください』とお願いする
上記です。
ポイントは、直接的に指導を受けに行かない、という点。
それだと、ただ怒られるだけ、餌食にされるだけなので、消耗します。
消防士に必要なのは、能力より「バランス」です
つまり、下記です。
- 能力は高くても、上司に嫌われると無理ゲー
- 能力が無くても、上司にかわいがられれば勝ち
上記です。
公務員の年功序列は、こういう「ゲーム」なので。
- 対人関係のバランス
- 努力と、休息のバランス
- アピールと、サボりのバランス
このあたりが上手なら、ぶっちゃけ他に努力なしでも消防士はやっていけますね。
消防士が向いていない人は、民間企業で生きればOKです

消防士に限らず、公務員ってめちゃくちゃ「クセのある」職場です。
特に消防士は、向き不向きがハッキリしているので、肌に合わない場合にはとことん追い込まれる可能性が高いかと。
とはいえ、こういう人は民間企業だと、あっさり馴染めて、成果も上がると思います。
正直、転職先に恵まれただけかもですが、、、。
向いていないのに消防士をして、精神をすり減らすくらいなら、民間へ行くほうが良いと思います。
僕もそうだったのですが、消防士に固執していると、視野がめちゃくちゃ狭くなります。
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あたりの無料転職サイトに登録し、色々な会社の求人情報を見てみると良いですよ。
世の中には、めちゃくちゃたくさんの仕事があるし、どれも消防士に負けないくらい、やりがいに満ちた仕事。
あなたの人生は、消防士だけが全てじゃないことに気付けます。
公務員じゃなきゃダメ、なんてのは時代遅れです
最後に。
僕は、消防士が向いていなかったのですが、辞めて後悔はゼロです。
「消防士に向いてない人」というのは、決してデメリットではなく、メリットだと僕は考えています。
上記でして、収入的にも、人間関係的にも民間で働くほうがお得ですよ。
ここについて、詳しくは»消防士を辞めても後悔しないための手順とは【3つある/行動しよう】 の記事でお話ししています。
消防士は、必要な仕事ではあります
火災や救急現場で人命を助けるというのは、お金以上に価値があることですよね。
誇りに思いつつ、毎日頑張っている消防士もいます。正直、頭が上がらないです。
とはいえ、ものごとには向き不向きがあります。
適性がある人が消防士をやればいいので、消防士に向いていないのに、無理して頑張る必要はないかもですよ。
この記事で、少しでも気が楽になったり、決心がついた人がいることを祈ります。
それでは、今回はこれで終わります。