消防士の仕事内容の真実を話します【メインは「火消し」ではない】

Firefighter

悩める人「将来、消防士になりたいけれど、消防士って普段どんな仕事をしてるんだろう?消防士の仕事内容って全然知らないので、消防士の人に話を聞いてみたいな。」

こういった疑問にお応えします。

この記事の内容

  • 【結論】消防士の仕事のメインは「火消し」じゃないです
  • 消防士の仕事内容を紹介【大きく分けると3つです】
  • 【重要】消防士の仕事の本質は「予防」です

この記事を書いている僕は、元消防士です。

消防士の仕事内容について、しっかりとまとめている記事が少なかったので、、、。
消防士になりたい人向けに、この記事を書いています。

この記事を読めば、消防士の仕事内容は色々とあり、その中でも最も大切な「本質」は何か知ることができます。

なお、先にネタバレすると、、、。
火消しにばかり憧れている人は、少し考えを変えたほうが良いかもですよ。

また、過去の僕と同じように、消防士の仕事に疑問を感じている人にとっても、アドバイスになる記事になっているはず。

是非最後までお読みくださいませ。

消防士になりたい人が、まず読むべき記事

更新情報(2020年7月14日)

記事を、より見やすくリライトしました。

【結論】消防士の仕事のメインは「火消し」じゃないです

消防士の仕事のメインは、火消しではないです

消防士が普段どんな仕事をしているか、イメージを聞くと下記ですよね。

火事が起きたら、現場へ急行して、消火活動をする

上記です。
いわゆる「火消し」こそが消防士の仕事だというイメージをお持ちの方が多いです。

カッコよく、やりがいもあり、市民のヒーローとして活躍できる「火消し」に憧れて、消防士を目指す方もたくさんいます。
というか、学生時代の僕がそうでしたね(笑)。

しかし結論として、上記のようなイメージは間違いですよ。

皆さんに是非知っておいてもらいたいことは、消防士の仕事は「火消し」だけじゃないということです。

夢を見すぎると、現実に萎えます

消防士は、「火消し」以外にも、山ほど仕事がありますからね。
むしろ、「火消し」にだけ集中すればいい、なんてことはほぼありません。

ここを勘違いしたまま消防士になると、「これも消防士の仕事だったの!?」とか「こんな地味な仕事もしてるの!?」とか、「あれ、消防士つまらん、、、。」とか、、、。

上記のようなギャップに驚くことになるはず。

僕自身も、『よし、バリバリ火消しするぜ』と思っていましたが、、、。
火消し以外の仕事が多すぎて、ぶっちゃけ萎えました(笑)。

ということで将来、消防士を目指す方へ向けて、最低限知っておくべき消防士の仕事内容を紹介していきます。

消防士の仕事内容を紹介【大きく分けると3つです】

消防士の仕事内容を紹介します

消防士の仕事内容には大きく3つありまして、先にまとめると下記です。

  • 仕事①|現場出動する仕事
  • 仕事②|現場出動しない仕事
  • 仕事③|その他の仕事

上記のとおり。

結論として消防士は、出動していない時にこそ、大切な仕事をしています。

そして何度も言いますが、消防士にとって、火消しなどの「現場での活動」はメインの仕事ではないです。

もちろん、バリバリ現場で活躍する人も必要です。
ほとんどの人は、現場でヒーローになることを夢見ているはず。

とはいえ、それだけじゃ消防士は務まらないかもですよ。

それぞれについて深掘りしていきます。

仕事①|現場へ出動する仕事

現場にも色々ありまして、下記のとおり。

  • 火災現場
  • 救急現場
  • 救助現場

例えば上記ですね。

この中で、ダントツで多いのが救急現場です。
恐らく日本中どこを探しても、火災より救急の方が圧倒的に多いです。

ぶっちゃけ火を消すことだけに憧れていると、現実は救急車に乗ってばかりでつまらないと感じるかもです。

例外もある【選任制です】

※いちおう、東京消防庁などの「大きな消防」に入ると、「選任制」が敷かれているケースもあります。

つまり、「消火隊」になれば火消しだけ。
「救急隊」になれば救急出動だけ、などですね。
希望どおりにいくとは限りませんが、「火消しだけ」をしたい人は、大きな消防本部に入ったほうが良いかもですね。

いっぽう、地方の消防本部の場合、ある時は火消し、ある時は救急、などのように案でもありなことがほとんどです。

特に、田舎の消防署に勤務すると、人が少ないので全ての現場に駆り出されることになるかもです。

具体例として僕の話をすると、キホンは救急隊として仕事をしつつ、火災や救助の現場が発生したら、そっちの隊員としても活動、みたいな感じでした。
何でも屋みたいな働き方ですね。

「僕は火災現場にしか興味が無い!」って人は、地方だと無理です。
絶対に救急車に乗る回数の方が多いので(笑)。

仕事②|出動していない時の仕事

具体的には、下記のとおり。

  • 立入検査
  • 消防同意
  • 消防訓練指導
  • 警戒活動
  • 広報活動

他にも色々とありますが、ざっとこんな感じ。

ようは、火災などを発生を予防するための仕事でして、まとめて「予防業務」と呼ばれたりします。

例えば、立入検査で何をするかというと、簡単に言うと「営業」ですね。

地域のお店や工場へ行って、消防設備がしっかり作動するか確認したり、消火器が壊れていないかチェックしたり、無許可で増改築してないかチェックしたり、、、。といった感じ。
そして、不備があれば直してもらうように「営業」をするイメージでOKです。

あとは避難するための通路に、荷物が大量に置かれていたらそれを除去させたりもしますね。

火災を予防しつつ、万が一の際に避難や初期消火ができるように必要なことを「営業」するイメージでOKです。

消防士のヒーロー的な華やかな仕事イメージとは全く違って、かなり地味な仕事ですが、、、。

現場に行かない時は、だいたい上記のどれかの仕事を黙々としなければなりません。

ただ、この記事の結論を伝えると、消防士の仕事の「本質」はこれら予防業務ですからね。

現場でバリバリ人命救助するとかって、あくまでも「サブ」の仕事だと覚えておいてください。

仕事③|その他の仕事

下記のとおりです。

  • 報告書の作成
  • 起案書の作成
  • 訓練・トレーニング

上記です。

簡単に言うと、デスクワークと消防署内でのトレーニングですね。

特にデスクワークに関しては結構なウェイトがあります。

消防士は公務員ですので、かなりお固い仕事です。
仕事は全て、報告書や起案書などの文書によって報告する義務があります。

例えば、火災現場に行ったら活動報告書を作成。前述した立入検査へ行ったらその結果を報告書で作成、など。
あとは、毎日資器材の数をチェックして、報告書にまとめる、とかですかね。

なお、訓練については色々とありますが、、、。
若いやつがミスるとパワハラされる、と覚えておけばとりあえずOKです(笑)。

以上が、消防士の仕事内容です。
かなりざっくりですが、、、。

「現場で火消し」をするのはごくわずかな時間でして、ほとんど「火消し以外」のことをしていると理解しておいてください。

【重要】消防士の仕事の本質は「予防業務」です

消防士の仕事の本質は、予防業務です

現役の消防士にも、ここを勘違いしている人が多すぎるのですが、、、。
これが本質です。
理由としては、下記のとおり。

  • 法律で決まっているから
  • 多くの人を助けられるのが「予防」だから
  • 出世するには予防の知識が必要だから

上記です。
ピンとこないかもなので、順に解説していきます。

1.消防法と消防組織法

繰り返しですが、消防士は公務員なので、法律にしたがって仕事をする義務があります。

中でも、「消防士の仕事の本質」を定めている法律が、下記の2つです。

  • 消防法
  • 消防組織法

上記ですね。
そして、これらの第1条を引用すると、下記です。

消防法第1条

第一条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、
火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もつて安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。


消防法より

 

消防組織法第1条

第一条 消防は、その施設及び人員を活用して、
国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行うことを任務とする。


消防組織法より

 

この法律に基づいて消防士は仕事をします。

大事なのは、1番初めに「火災を予防し、、、」という文言が来ることです。

火災を鎮圧することや被害を食い止めることは、その後に来ていますよね。

つまり、下記です。

「消防士は、まずは火災を予防することが第一の任務ですよ。それでも万が一、火災が起こってしまったら、、、被害をできるだけ食い止めてね」

上記が、法律によって決められているわけです。

ほとんどの消防士は、火災が起きてからのことしか考えません。

例えばどうやって要救助者を救出するか、どうやって火災を早く消火するか、などですね。

しかし、火災なんてものは発生しないことが1番ですよね。
なので、消防士としてもっとも大切なことは、「火災を予防すること」です。

消防士の仕事の本質を間違えると「偽善者」になりますので注意ですよ。

2.予防業務で救える命の多さ

火災現場で活躍して、1人の命を救うことももちろん大切ですが、、、。
そもそも火災が起きなければ、その必要すらないですよね。

具体例を1つ言うと、有名なのはH13年の新宿歌舞伎町で起きた雑居ビルの火災ですね。
内容をまとめると下記です。

    • 逃げるための階段に荷物が山ほど置かれていた
    • 煙を防ぐための防火戸も壊れており作動せず
    • 火災報知機も壊れており作動せず
    • 従業員が避難誘導を全くしなかった

 

  • →結果、従業員3名を除き、44名が死亡

上記です。

結論、この44人は助かるべき命だったわけでして、消防士が殺してしまったとも言えます。

火災を予防しなかったから、44人も亡くなった

例えば、前述した「立入検査」をすれば、上記のような違反について指導ができたはずです。
逃げ道となる階段が荷物でふさがれていたのなら、それは除去させるべきですし、防火戸や報知器も直させていれば44人は助かったわけです。

また、従業員への避難訓練の指導を行っていれば、お客さんを逃がす練習ができつつ、火災予防の意識付けをそのビル全体に広報できたはずですよね。

こんな感じで、「予防」をしない消防士は、たくさんの命を殺します。

「予防」というこの地味な活動で助かる命の方が、現場で必死になって救出してくる命より圧倒的に多いってことです。

3.優秀な消防士は全員「予防」ができる話

これはオマケの話ですが。

消防士が出世するためには、昇任試験に合格する必要があります。
結論、この昇任試験、出題される問題はほとんど「予防業務」に関することです。

これは当たり前のことでして、「予防」が消防士の1番大切な仕事だからですよね。

例えばですが、「営業」をする社員の中で出世できる人は、「営業成績が高い人」のはず。
消防士なら、それが「予防ができること」になるイメージです。
「めっちゃマッチョであること」が出世に繋がるわけがないですからね(笑)。

消防という組織のトップに立つべき人間は、予防業務のスキルがある消防士です。

それを選別するために昇任試験があるわけです。

消防士は「動けるインテリ」が最強です【予防しつつ、有事の際は活躍しよう】

消防士は、動けるインテリが最強です

最後に。

消防士と聞くと、体を鍛えてゴリゴリのマッチョになることが使命だと思っている人も多いですが、、、。

ハッキリ言って、筋肉バカは消防では使い物になりません。ボディビルダーを目指してください(笑)。

結論、「動けるインテリ」を目指すのが消防士の本質でして、バランスが大切です。

もちろん、現場で少し走っただけで息切れするのはさすがにマズイです。
しかし、いくら運動能力が高いと言っても「予防」に関する知識が低ければ、それもまた「ダメ消防士」ですね。

なので、「勉強が嫌いだから消防士になる」とか、「筋トレしてお金貰える、最高!」とかだと、正直消防士には向かないかもです。

予防をしない消防士は、多い

僕が消防士を辞めた理由は、現場のことしか考えていない上司に受けたパワハラがきっかけです。

予防のために法律を勉強していても「そんなの意味ない。仕事をサボるな」と一蹴され、皆の前で腕立てをやらされたりしてましたね(笑)。

もう2年前の話なのでどうでもいいですが、消防には未だに「本質を見ないでいる人」が多いです。

これから消防士になる人には、是非このあたりを改革していただき、火災を積極的に予防できる消防署を作っていってほしいと思います。

では、今回はこのくらいにします。